アロマテラピー(芳香療法)とは
植物に含まれる精油(エッセンシャルオイル)は、強力な生命力を備えた有機物であり、固有のさまざまな化学的組成を持っています。
その天然精油を私たちの体内に取り入れて自然治癒力を強化し、美容と健康の維持に役立てようとするのがアロマテラピーです。
利用方法としては、吸入、飲用、マッサージなどによる体表からの吸収があります。
精油は水蒸気蒸留法、圧搾法、油脂吸着法、有機溶剤抽出法のほか、近年新しく開発された超臨界流体抽出法で取り出されます。詳しくは、精油の抽出方法で紹介しています。
アロマテラピーの歴史
そもそもアロマテラピーの起源は、6,500年もさかのぼった古代エジプト時代です。
当時はスパイスや香油、芳香性の草などをアルコール飲料や医療、美容、儀式、ミイラ作りなどに用いていました。そしてこれらは特権階級の人々のみのものでした。
その後、この知識はギリシャの植物療法、芳香療法となりローマ人に受け継がれ発展し、さらにアラブ人に伝えられました。
さらに、十字軍の遠征により、ヨーロッパ人がその文化に触れ、ヨーロッパ各地に研究施設や芳香療法の学校が作られるに至っています。
一般化しはじめるのは、この時期からといえるでしょう。ところが、19世紀になると化学物質を合成して医療に用いる方法、つまり近代医学が生まれます。
穏やかな効果をもたらすアロマテラピーに比べ、近代医学は即効性があって効果が顕著だったため、一気に広がりました。
このころからアロマテラピーは衰退し、1920年代まで細々と民間に伝えられるだけの療法になってしまいました。
再び注目を浴びるのはそれ以後で、1930年代にフランスの化学者ルネ=モーリス・ガットフォセの研究を待つことになります。
続いて、1940年代にマルグリット・モーリーがアロマテラピーに関する施術活動を行い、1962年と1967年にはエッセンシャルオイルと美容術についての研究によって国際的な賞を受けています。、
現在では、エステティック業界などで注目を集め、神経を沈める芳香の薬草を美容機器に入れて香りを出し、質の高い眠りへと誘う療法が行われるようになりました。
より詳しいハーブの歴史に関しては、こちらをご覧ください。