ハーブの歴史(古代Ⅰ) 紀元前3000年~2000年

古代人と植物

ハーブと本古代人が植物をどう見ていたかは、当時の文献資料に残っていて、儀式や魔術や医学用の植物が載っています。

紀元前3000年の古代バビロニアの粘土板には、熱病に対して唱えた次のような呪文が記してあり、すでに植物が利用されていたことが分かります。

「病めるものよ……なんじはおくべし……
……彼の顔をおおい……
イトスギと薬草をたくべし……
大いなる神々は、悪疾を除き給い
悪霊はしりぞかん
善なる霊、善なる守護神の来臨されんことを。」

カルナック神殿また、古代エジプト文明の第十八王朝にさかのぼるエーベルス文書(紀元前1500年ごろだが、元は紀元前3400年頃より以前の文章を書き写したものだと考えられている)を見ますと、エジプトの医師たちが非常にたくさんの薬草の特性を熟知していたことが分かります。

パピルスの文書には、次のようにフェイシャルパック剤の処方が紹介されています。

「香の玉、ろう、新しい油、イトスギの球果を
砕いて細かくして新しい牛乳に入れたものを六日間、顔に塗ること。」

ここで香といっているのは、没薬(ミルラ)あるいは乳香(トスゴム)、またはその両者の混合物でしょう。これが小さい玉の形にされ、一種の香炉でたたかれたのです。

この処方は、現在のフェイシャルパック剤に驚くほど似通っています。また、紀元前2000年ごろに書かれた別のパピルス文書には、エジプトのヌビアに旅をした筆者の報告が記されており、筆者はこう述べています。

「私は、三種の精製した油をもってこさせ、香料類を、そして寺院の薫香を選ぶつもりである。神々はみな、これで喜ばれる。おまえは没薬はあまりもたない。
おまえのところにあるものは、おしなべて平凡な薫香である。アシプーがきて私に品物を届けた。アシプーは、没薬、精製油、各種の香料、目の化粧料およびキリンの尾の積み荷を私に渡した。」

古代バビロニア ウルク期(紀元前3500~3100年) 主な都市:バビロン、ウル、ラガシュ、ウルク

古代メソポタミア文明。ビール、ワイン、文字、青銅器、旧約聖書発祥の地。学校や病院、裁判所(裁判員制度)があり、議会も二院政となっていてすでに都市が形成されていました。

数学や天文学に優れ歳差運動を熟知、12進数や60進数、360度の概念を確立、古代シュメール文明の遺跡より粘土板が大量に発掘されていますが、未解読の粘土板は2,000以上にのぼります。(解読できる人は世界中で200人程度)

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