【学 名】 | Thymes |
【分 類】 | シソ科イブキジャコウソウ属 |
【別 名】 | タチジャコウソウ |
【種 類】 | 常緑小低木 |
【草 丈】 | 20cm~40cm |
【原産地】 | ヨーロッパ・アジア |
【精油成分】 | チモール、カルバクロール |
タイムの特徴
古代ギリシア・ローマでは勇気の象徴
ヨーロッパ南部原産の、基部から枝分かれして高さ20~30センチになる常緑の小低木です。
葉は対生につき、濃緑色をした長円形で長さ7ミリたらず、6月ごろに枝先に白か桃色の小花を輪生して穂状につけます。
古代ギリシア・ローマ時代の人たちにとって、タイムは勇気、品位、優雅の象徴を表していました。男性は入浴後、このタイムの香りを胸に擦り付けたと言われています。
属名のThymusは「力(ちから)」の意味で、強壮薬にされたことによります。
口内清涼剤、歯磨き、男性ローションなどに利用
タイムの精油成分はモチール、カルバクロール、その他で、水蒸気蒸留によって得た精油をチアミン油といって、香水の原料にするほか、十二指腸虫駆除薬、鎮咳薬にされます。
料理には肉類、魚類の香味料として、新鮮葉、乾燥葉ともに使われ、単独でも煮込みなどの時のブーケガルニとして用いられ、肉類や乳製品などの加工食品にはセージとともに古くから使われています。
シャープなツンとした香りは消毒力の強い成分「チモール」のためで、口内清涼剤、歯磨き、石鹸、トニック、男性用ローションなどによく利用されています。
飲用すると、風邪や腰痛を和らげたり、また、ハーバル・バスにするとリウマチや神経痛、あるいはそれらが原因のむくみの症状などを軽くすることが知られています。
防腐剤、保存剤として抜群
防腐剤、保存剤としての強力な効き目は古代エジプト時代から知られ、死体保存用に使われていました。現在でも、解剖標本や植物標本の保存用、紙の虫食い防止用として使われています。
食品加工の際には、風味付けをかねて多用されています。日常のヨーロッパ料理でも、肉や魚介類の臭みを消し、保存力を増すための重要なハーブです。
タイムの育て方
香りは、花の開花直前が最も強い
繁殖は春か秋に種子をまくか、挿し木によります。日当たりと風通しが良く、水はけのよい土で育ちます。土が酸性なら、植え付けの前に苦土石灰で中和しておきましょう。
挿し木で増やす時は、古く木質化した枝を切り取って使うと良いです。タイムの挿し木は発根しやすく、寒暑をさければいつでもできます。
高温多湿や秋の長雨を嫌いますので、雨に充てないための工夫をしたり枝葉を選定して通気性をよくするなどの手当てが大切。特に梅雨以降の高温多湿は蒸れて枯れやすいので、収穫を兼ねて刈り込むと一石二鳥です。
香りは、花の開花直前が最も強くなります。乾燥保存する場合は枝ごと切り取って束ねて吊るしておきます。
コモンタイムとクリーピングタイム
コモンタイム(立性)
高さ20~40センチくらいで、よく枝分かれした茎は木質化し、枝先に短い花穂をつけ、淡いピンク色の花をひそかに咲かせます。(写真はシルバータイム)
クリーピングタイム(匍匐性)
高さ10センチくらいで、横に這うように広がっていきます。
香りはタイムに比べるとやや劣りますが、タイムと同じような香りのものからレモンの香りがするもの、ナツメグ、キャラウェイ、オレガノ、ラベンダーの香りがするものなど様々な香りがあります。
花色は白、赤、桃色があり、葉もバラエティーに富んでいて白班や黄班があり、大きさも色々です。
タイムの立性と匍匐性
立性 | 匍匐(ほふく)性 |
---|---|
コモンタイム | クリーピングタイム |
シルバータイム | キャラウェイタイム |
レモンタイム | アニーホール |
ゴールデンクイーンタイム | ウーリータイム |
ラベンダータイム | クリーピングタイム赤花 |
シルバークイーンタイム | クリーピングタイム白花 |
マスティックタイム | ドーンバレー |