【学 名】 | Salvia officinalis |
【分 類】 | シソ科サルビア属 |
【別 名】 | ヤクヨウサルビア |
【種 類】 | 常緑低木 |
【草 丈】 | 30cm~90cm |
【原産地】 | ヨーロッパ |
【精油成分】 | ツヨン、シオネール、ボルネオール、カンファー |
セージの特徴
全世界で不老長寿のハーブとして高く評価されてきた
セージは長い歴史を通じて、全世界で不老長寿のハーブとして高く評価されてきました。
「長生きしたければ5月にセージを食べなさい」というイギリスの格言が、このハーブの威力をすべて物語っています。
実際には、セージをそのまま食べると苦味があるので、スパイスとして料理に少量使う感じになります。花の色や形に様々あるので、観賞しつつ消費できます。
特に17世紀の中国では大変珍重され、オランダの商人は葉1枚につき中国茶3箱という高値な値段で中国に売っていました。
saviaという学名は、治療力があるという意味のラテン語salvereからきていて、このハーブが昔から利用されていたことが分かります。
ローマ帝国では、セージは儀式で捧げられる聖なる植物でした。儀式を受ける当人は、白いチュニックをまといパンとワインを捧げて、体を洗い清め、裸足になる習わしがあったのですが、ローマの法律ではそのとき鉄の道具を使ってはならないとされていました。
これはその当時、鉄とセージは相容れないものだと考えられていたからだそうです。
セージの葉は四角、若い茎と葉は白柔毛で覆われて灰緑色になり、基部からよく分岐して、直生します。
葉は対生、長い葉柄があって、表面は細かいシワになります。長楕円形で、長さ2.5~5cmです。初夏に花茎を伸ばして青紫色の花を穂状に付けます。
強壮作用、消化促進、フケ・抜け毛防止と防腐作用
セージは、全身の強壮作用、消化促進、健胃整腸、解熱、血圧降下の作用のほか、香りには神経の不安を除く働きもあります。
また、フケや抜け毛を防止することもよく知られています。
葉の精油はツヨン、シネオール、ボルネオール、カンファーなどで、咽喉炎のうがい薬としてお茶がわりに、胃腸炎に内服します。
昔のヨーロッパの牧畜に頼っていた人たちは過酷な冬を迎えるとき、家畜の数を減らして、その肉を貯蔵しましたが、防腐や香りづけにタイムやセージ、その他のハーブを使いました。
現在でも、ハムやソーセージなどの加工食品に入れられています。
作用が強いので、精油を用いるときは、ほかのハーブよりごく控えめにしてください。
セージの育て方
生命力が強く、とても育てやすい
セージは生命力が強く、とても育てやすいです。日当たりと水はけが良ければ、雑草並みに勝手に育っていきます。
幼い苗は雨や風で倒れることがあるので、必要に応じて支柱を使いましょう。 酸性の土壌は苦手なので、植え付け前に苦土石灰で酸度を中和しておく必要はありますが、暑さ寒さ、乾燥に強く、病害虫の心配も少ないので手がかかりません。
ただし、水はけが悪いと根腐れを起こしてしまうので梅雨時は注意しましょう。高温乾燥機に発生するハダニにも気を付けます。
種から育てる場合は春か秋、古くなると発芽が不ぞろいになるので新鮮な種をまくようにした方が良いです。
セージの種は中程度の大きさなので、1か所に2~3粒まく点まきにします。2週間くらいで発芽するのですが、セージ類は丈夫で苗が大きくなるので、株間は40㎝くらい取ります。
茂りすぎた株は、収穫をかねて随時枝を切り取り、なるべく午前中に行います。茎の上部を刈り取るか、少量使いたい場合は葉だけ摘みます。
芳香成分は花が咲く時期の直前が最も強く、風通しの良い明るい日陰で乾燥させてから、密閉保存しておきます。なお、種から育てた場合、開花は2年目からになります。
1年中葉を摘めますが、つぼみがふくらんだころに薬効が高くなるので、開花直前に収穫して乾燥保存します。
霜に当たる心配のない地域では、葉を残したまま冬越しできます。寒冷地では、株元をワラや腐葉土で覆って霜と凍結を防ぎ、春になって新芽が伸び始めたら様子を見ながら前年の枝を切ります。
2年目以降
3~4年たつと株が弱るので、若い枝先を長さ10センチくらいに切り、挿し木にします。よく水あげして、バーミキュライトにさしておくと2~3週間くらいで発根します。
また、若い枝を地面に固定し、土をかぶせる取り木でも増やすことも可能です。
鉢植えの場合は、保水性の良い用土で一回り大きな鉢に植え替えます。追肥もしておきましょう。
セージの種類
セージには多くの品種があり、最近では料理用ではなく園芸用の品種も増えてきたので、ハーブティーなどに利用したい場合は品種を確認してから購入してください。
エルサレムセージ | 初夏、黄色い花を咲かせます。少し灰色がかった緑色の葉は、毛羽立っています。 |
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クラリーセージ | 葉はコモンセージより多きめで、軟毛があります。花から取れた精油は酢酸リナレルを多く含んでいて、抗ケイレン、リラクゼーション効果があります。2年草です。 |
クレベラントセージ | 大きな水色の花を咲かせる園芸種で、香りが良い。 |
ゴールデンセージ | 黄色の班が入った葉で、普通のセージのように勢いよくは茂らないので、寄せ植えや下段の縁取りに使うと、緑を引き立てます。耐寒性があまりないので、寒冷地では鉢上げをします。 |
コモンセージ | 薬用種の代表的なセージです。ミツバチも大好きで、寄ってきます。 |
サルビアガラニティカ | 南アメリカ原産で、サルビアパテンスよりも深いパープルブルーの花を咲かせます。別名、メドーセージとも呼ばれています。 |
サルビアパテンス | 大きく鮮やかなスカイブルーの花を咲かせます。 |
チェリーセージ | オータムセージともいわれ、甘いフルーツの香りがします。 |
トリカラーセージ | 白黄色と、赤紫色の班を持ち、ゴールデンセージと同じように、寄せ植えやガーデンに植え込むと、他の植物を引き立てます。 |
パープルセージ | レッドセージとも呼ばれます。灰色がかった赤紫色の葉で、コモンセージほど大きくはなりませんが、同じように薬効があります。 |
パイナップルセージ | 葉はパイナップルのような甘い香りがします。半耐寒性で、気温がマイナス5℃以下になるところでは鉢上げして冬越しします。 |
フルーツセージ | 細かい毛で覆われた大きな葉は、甘い果物の香りがします。寒さに弱いので、0℃以下のときは鉢上げします。 |
ペインテッドセージ | 花は小さな淡い藤色で、丈夫の苞葉が鮮やかな紫色になります。花の色がピンクや白のペインテッドセージもあります。 |
ボッグセージ | 名前は湿原という意味で、湿り気のある場所を好むセージです。 |
マドレンシスセージ | メキシコ原産で草丈が2mにもなる大型種、主にガーデニング用。 |
メキシカンブッシュセージ | 葉は細長く、少しグレーがかっています。紫色の花を咲かせます。 |
メドーセージ | 青紫色の花の品種、主にガーデニング用として植えられています。 |
ラベンダーセージ | 長く伸びた茎の先に、ラベンダーのような紫の花をたくさん咲かせます。 |
レオノチスセージ | 鮮やかなオレンジ色の花が特徴、主にドライフラワー用。 |
ローズリーフセージ | 葉がバラに似た品種、濃いピンク色の花が人気。 |
ロシアンセージ | 夏から秋にかけて、白っぽい銀緑色の茎の先に、ラベンダー色の細かい花をつけます。 |