【学 名】 | Rosa |
【分 類】 | バラ科バラ属 |
【別 名】 | イヌノイバラ |
【種 類】 | 落葉低木 |
【草 丈】 | 60cm~100cm |
【原産地】 | 地中海沿岸 |
【精油成分】 | シトロネロール |
ローズ(バラ)の特徴
永遠の憧れの花
バラは、その姿、その香り、そしてその治療上の特性のために、遠い昔からずっと使われてきました。
もともとペルシャで栽培されていましたが、そのうち他国へ広まり、ローマ人たちはバラを花の冠にや香水、芳香浴、菓子に、さらに2日酔いの薬にと、それは広く利用しました。
起源はペルシャ
バラ油そのものは、ペルシャでヌール=ジハン姫とジハングイル帝との婚儀がとり行われたとき、その宴席で偶然に発見されたと言われています。
庭園にはそれを取り巻いて堀が作られていたのですが、その堀にはバラ水が湛えられていました。
すると、そこを照らしていた太陽の熱の整でバラ水から油が分離して、水面に膜のように浮かび上がらせたのです。そしてこの「膜」を調べた結果、その特性が分かりました。ペルシャでバラ油の生産がはじまったのは、それからまもなくのことでした。
また、ローズの精油1滴を抽出するのには60~200個のバラが必要とされています。
整肌効果を化粧水に
花の浸出液は、乾燥した肌や荒れた肌をよみがえらせ、フェイシャルサウナも同様の効果があります。
ローズのクリームは、しみ、しわに効果があり、日本酒で浸出したものは化粧水として利用します。
バラは浄血作用を通じて脈管系・消化器系を健全にする働きを発揮します。
脈管系へのその作用は、循環を促し、血液を浄化し、心臓の充血を解消し、脾臓と心臓の活動を正常化し、毛細血管を強壮にするなど、多岐にわたります。
消化器系統へのその作用も劣らず重要です。これは胃を強め、胆汁の流出を促し、排便を促進します。また、悪心・嘔吐にも有効です。
神経を鎮め、眠りを誘う
また、これはさほど強力な鎮静剤ではないのですが、神経を静めてくれるので、眠りを誘う力があります。
バラはそのすばらしい芳香のために、抗うつ剤とみなすことができます。
1972年に、ソ連でバラ油の胆汁分泌促進作用についての研究論文が発表されたのですが、それによるとラットの血液中にバラ油を注入すると胆汁の分泌量が増え、またその胆汁の主要な有機成分の量が増大することがわかりました。
ここから、バラ油は人体でも肝胆汁の形成を促し、特に胆汁酸とリン脂質の合成を促進する可能性があるという結論が下されました。
バラ油は、意外に思われるかもしれませんが、最も消毒力の強い精油のひとつです。
軽い強壮・鎮静効果と結びついたこの特性と、毛細血管に対するその作用とによって、バラ油は肌のタイプを問わず実質的にすべての肌に有益です。
これは、成熟した肌・乾性肌・敏感肌に特に効果がありますし、またすべての種類の発赤や炎症にも極めて有効です。
バラの実(ローズヒップ)にはビタミンCが豊富
バラの実は、アスコルビン酸C2H8O6が化学的に組成されるまでの長期間にわたってビタミンC源として利用されてきました。
現在では、「ローズヒップ」として販売されています。ローズヒップは、一般に野生種のドックローズ(ロザ・カニーナ)か、スィートブライアーの実で、酸味のあるさわやかな香りがします。
真紅の実は果物として食されたり、お菓子作りの材料として用いられ、すっきりとした酸味が特徴です。
レモンの20倍とも50倍ともいわれるビタミンCをはじめとして、A,B,Eに富み、優れたり尿作用や肝機能を高める作用が知られています。シミ、ソバカスの予防対策に効果的です。
ローズ(バラ)の育て方
栽培は比較的簡単
日向か、半日陰で水はけがよく、肥沃な粘土質の土を好みます。丈夫で耐寒性もありますが、長雨に合うと病気になりやすいので、ピートモスなどで株本を覆って雨で跳ね返った土がつかないようにします。
花は、開花したらすぐに摘みます。花びらは、ダマスクローズなど香りのよい品種をジャムやケーキ、ポプリなどに利用します。
ドッグローズの果実はローズヒップと呼ばれ、秋に熟してから収穫してティーとして利用します。