コモンマロウ Common Mallow ~レモンを入れると色が変化~

利用部分葉花   
利用法ハーブティー料理
【学 名】 Malva sylvestris
【分 類】 アオイ科・ゼニアオイ属
【別 名】 ウスベニアオイ
【種 類】 多年草
【草 丈】 40cm~100cm
【原産地】 ヨーロッパ
  • コモンマロウ1
  • コモンマロウ2
  • コモンマロウ3

コモンマロウの特徴

コモンマロウティーの色の変化

コモンマロウティーにレモンを入れると色が変わる

コモンマロウの花のティーは、のどの痛みを和らげ便通を促します>。

レモンを入れると、ブルーから紫、ピンクへと変わり、やがて消えることから夜明けのティーやサプライズドティーなどと呼ばれます

色が変わる仕組みはリトマス試験紙と同じで、花に含まれる「アントシアニン」がアルカリ性だと青色に、酸性だと赤色に変わる仕組みを利用しています。

身近なものだと、同じくアントシアニンが含まれている紫キャベツも、レモン汁や酢、炭酸など酸性のものを加えることで、色の変化が確認できます。

コモンマロウティーの色が変わる様子

コモンマロウティーの色が変わる様子

リトマス試験紙とは

酸性の液体をつけると青色が赤色に変わり、アルカリ性の液体をつけると赤色が青色に変わる試験紙。中性の液体をつけた場合、色は変わりません。リトマス試験紙は、リトマスゴケというコケから青色の色素をアルコールにとかしたものが、紙に染み込ませてあります。

アントシアニンは分子構造が変化する

アントシアニンの分子構造の変化

アントシアニンの分子構造は、酸性に変わると水酸化物イオン(OH)に水素イオン(H)が1個付く分子構造へ変わります。そして、アルカリ性(塩基性)へ傾いていくと水酸化物イオン(OH)から水素イオン(H)がはずれた構造になるという特徴を持っています。

すると、この分子構造の変化が吸収する光の色(波長)へ変化を及ぼすので、色が変わるのです。

なお、実際のリトマス試験紙は、地衣類(菌類と藻類の共生生物)の一種であるリトマスゴケの主成分アゾリトミンが使われていて、原理はアントシアニンと同じです。

咳や胃炎に効果

コモンマロー写真

花はサラダに散らし、葉と若い芽はゆでて野菜のように利用します

ティーに使うのは花で、食べるのは葉っぱと芽の部分です。

葉と花の浸出液は、肌を引き締め炎症や湿疹にも効果があります。抗炎症、収れん、緩下作用があり、葉をもんで、虫刺され、傷の手当てに使用します。

マロウの仲間はどれも、咳や胃炎に効果があるとされています。

コモンマロウの育て方

コモンマロウ年間表

丈夫で寒さにも強い

コモンマロウは、アオイの仲間なので、丈夫で寒さにも強い植物です。

栽培は簡単ですが移植を嫌うので、植えつける場所に種を直接まいて育てる方が適しています。よく日のあたる水はけのよい場所が適していて、特に土質は選びません。

意外と背丈が伸びるので、あらかじめ1メートルほどの高さを確保できる場所で育ててください。

コモンマロウの仲間

近緑種のハーブに、淡い芳香を持つムスクマロウや、地面を這うように伸びるクリーピングマロウがあります。

関連記事

  1. ジャスミン Jasmine ~甘い香りを漂よわせる白い花~
  2. コリアンダー Coriander ~タイ、ベトナム料理に欠かせな…
  3. クレソン Watercress ~水辺に群生する水生植物です~
  4. サントリナ Santolina ~防虫効果でポプリに最適~
  5. ミント Mint ~清涼感あふれる香りでおなじみのハーブ~
  6. アロエ Aloe ~火傷の治療に抜群の効果~
  7. レモンバーベナ Lemon Verbena ~レモンらしい香りの…
  8. フラックス Flax ~アマニ油、土壌改良の効果も~
5 1 評価
記事の評価レート
更新通知を受け取る »
guest
1 コメント
Oldest
Newest 最多投票数
Inline Feedbacks
全てのコメントを見る

ハーブの不思議な話

おすすめ記事

【ハーブ7選】初心者でも育てられるハーブをランキングで紹介

育てやすいハーブとは「ハーブを育てる」と聞くと、なんだか丁寧に育てないといけないような印象を抱き…

カモミール Chamomile ~甘いリンゴの香り、抗アレルギー~

【学 名】Matricaria necutita、Chamaemel…

ハーブと野菜を一緒に植えるコンパニオンプランツ

コンパニオンプランツとは ハーブを単独で楽しむのはもちろんなのですが、ハーブ類と野菜類をうまく組…

ハーブとは何か

ハーブとは何か地球上の、山や森、野の草、緑の芝生、花壇の草花、熱帯雨林にある植物……。 いっ…

アロマテラピーのメカニズム

精油が心身に作用する経路アロマテラピーで精油(エッセンシャルオイル)を利用すれば、私たちはリ…

人気記事

  1. 精油(エッセンシャルオイル)の抽出方法
  2. 【ハーブ図鑑】ハーブの名前や種類、育て方、効果・効能
  3. 用途別 ハーブ効能一覧

記事ランキング

カテゴリー

おすすめ記事

PAGE TOP
1
0
質問やコメントをどうぞ!x