ハーブの土の条件は、水はけがよくかつ水持ちも良いことです。
ハーブは水はけがよく、かつ水もちのよい土を好みます。
この両方を兼ね備えるためには大玉や小玉などさまざまな大きさの土を用いるとよいでしょう。土の大きさが大きいものが混じっていれば、水はけがよくなります。
多くのハーブは地中海沿岸地方生まれ。この地方の土はアルカリ性なので、ハーブ栽培には弱アルカリ性の土が向いています。
ところが、日本の土は酸性なので石灰類を混入して弱アルカリ性に土壌を改良する必要があり、土を弱アルカリ性にするための苦土石灰や草木灰というものが園芸店に売っています。苗を植える前の畑の上が白くなっているのを見かけることがありますが、あれは苦土石灰や草木灰で土壌改良している風景です。
ハーブを栽培するための土には、1㎡につきバケツ1杯の腐葉土をまき30センチほどすき込みます。酸性度の高い土ならここで苦土石灰を大さじ1杯入れ、よく混ぜて1~2週間程度寝かせましょう。また、水はけをよくするためには、植える前に10~20センチの高さの畝を作ると湿気がこもりません。
ハーブ栽培には、弱アルカリ性の土が向いています
鉢植えは、特に水はけに気を付ける
鉢やプランターに植える場合は、鉢底の穴を大きめの石かネットでふさぎ、大粒の赤玉土を下に入れ、上には赤玉土4、腐葉土3、バーミキュライト2、ピートモス1をよく混ぜて入れます。
1種類だけの土ではなく、粒の大きさや保水性が異なる土を混ぜることで、水はけのよいハーブ育成に最適な環境を作ってあげます。
また、忙しい人や初心者には市販のブレンド済みの「ハーブの土」がおすすめです。これはハーブを育てるためにブレンドされた園芸用土で、あらかじめハーブが好む最適phになっています。
ただし、ハーブは基本的に丈夫でよほど質の悪い土でなければ順調に育ちますし、肥料を与えなくても成長します。むしろ水や栄養の与えすぎでハーブ作りに失敗してしまうケースが多いので、水を与えすぎず、また栄養過多にならないよう気をつけましょう。
極端な話、ハーブは放っておいても育つくらい丈夫なものも多いのですが、せっかく育てるのですから大切にしてあげたいですね。
保水性が強すぎず、水はけのよい土づくりを心掛けたい
販売されている主な土
赤玉土(あかだまつち)
関東ローム層を形成する火山灰土を砕いたもので、 通気性や排水性に優れています。大、中、小の3つのサイズがあり、中粒、小粒のものは鉢植えに、大粒のものは特に通気性の悪い庭植え用として使用すると良いでしょう。
腐葉土(ふようど)
広葉樹の落ち葉が堆積して発酵したもので、有機物で保水性、排水性、保肥性に優れています。通常、赤玉土や黒土などに3割ほど配合して使用します。中には質の悪いものもあるので、使用前に日光に当てて乾燥させるとよいでしょう。
バーミキュライト(Vermiculite)
ひる石という鉱物を700℃~900℃の高温で焼いて作る人工用土で、金属性光沢を持っています。軽く、通気性や保水性、保肥性に富み、土壌改良材として使われることが多いです。また、育苗床や挿し木、挿し芽の用土としても最適ですが、無菌のため養分はありません。
ピートモス(Peat moss)
寒冷地の水ごけが堆積し泥化したもので、保水性、保肥性、通気性に富んでいます。非常に軽いので、ハンギングバスケットなど吊るすタイプのものを使用する際、用土と混ぜて用いると良いでしょう。
カナダ、北欧産ものものが良質と言われています。
パーライト(Perlite)
真珠岩や黒曜石を焼成加工したもの。真珠岩のものは過度のある細粒が多く、黒曜石のものは丸みのある粒で細粒から大粒まであります。
用途はバーミキュライトと同様ですが、鉢物用土にも混用使用されます。
鹿沼土(かぬまつち)
粒状で軽く、有機質をほとんど含まない土です。名前は栃木県鹿沼地方で採取されることによります。主に挿し木用土に使われますが、酸性が強いのでハーブの栽培用土にはあまり使われません。
ハーブの土
ハーブ栽培向けにブレンドされた土で、初心者には最適です。
ただし、市販のハーブの土は混合されている用土がまちまちで、一般に肥料成分が多すぎるようです。初期の根ぐされや、育ちすぎに注意しましょう。場合によっては、赤玉土かパーライトを2割ほど混ぜるとよいです。
迷ったらハーブの土を使おう
上述したように、ハーブ栽培向けにブレンドされたハーブの土が販売されています。
通気性、排水性、保肥力を考慮した配合になっていますが、水分が貯まって根腐れを起こすこともあるので、梅雨時に使うのであれば赤玉土のような水はけのよい土と割ほど混ぜた方が良い場合もあります。
鉢底に石を敷き、水分が流れるようウォータースペースを残してあげましょう。
排水性を良くしたハーブの土が最適