育てやすいハーブとは
「ハーブを育てる」と聞くと、なんだか丁寧に育てないといけないような印象を抱きますが、そんなことはありません。もともとハーブは強健で、野菜と違って人間が手を加えなくても自生できる植物だからです。
ハーブの一部は雑草並みの勢いがあり、その強靭な生命力を人間がハーブティーやアロマに利用しているという具合なので、ほったらかしても勝手に育ちます。
とはいえ、ハーブには多種多様な種類があるうえ育てる環境や難易度が異なりますから、ここではガーデニング初心者でも育てやすいハーブを7選として取り上げてランキング形式で紹介します。
判断基準としては、すべて管理人が育ててみた経験に基づいたランキングとなっています。手間のかからないハーブ、病気にかかりづらいハーブ、気温が下がってもそのまま冬越しできるハーブなどになっていますから、安心して育てることができるはずです。
特に、1~6位のハーブは多年草で耐寒性があり、虫も付きづらいタイプとなっています。
後半には、逆に育てにくいハーブワースト3も掲載しましたので、併せて参考にしていただければと思います。
初心者でも育てられるハーブランキング
1位 セージ
育てやすさ ★★★★★
対病害虫 ★★★★★
耐寒性 ★★★★★
外を歩いていると、道端や線路下に生えていることがあり、誰かの植えたセージが勝手に繁殖している様子が見られます。
セージは、日当たりと水はけが良ければ、雑草並みに勝手に育っていくほど強い生命力を持っています。暑さ寒さ、乾燥に強く、病害虫の心配も少ないので手がかかりません。
また、セージの葉っぱにはやや苦味があるため大量に使う機会は少なく、取りすぎにならず消費量が少ないことも育ちやすい要因かもしれません。
2位 ローズマリー
育てやすさ ★★★★★
対病害虫 ★★★★★
耐寒性 ★★★★★
セージと同じく、道端に生えていたり色々な人の庭先に生えていることが多いです。
日当たりと水はけさえ良ければ特に土は選ばず、肥料も一度与えておけばあとはほとんど不要です。逆に、水のやりすぎによる根腐れに注意してください。
耐寒性もあるので冬は外に出しておくことができますし、周りが閑散としている冬場に花を咲かせるので和みにもなります。
3位 ミント
育てやすさ ★★★★★
対病害虫 ★★★★★
耐寒性 ★★★★
多少日当たりが悪い場所でも、明るい日陰であれば育てることができるメリットがあります。
ミントと聞くと繊細な感じがしますが、実際には多年草のうえ丈夫で育てやすいハーブです。かえって、性質が強くほかの植物を圧倒して増えてしまうくらい強いです。
冬は地上部が狩れてしまうのですが、耐寒性があるので地下茎は生きていて、春になるとまた葉っぱが出てきます。「種+地下茎」で増え、上述したようにほかのハーブを駆逐して増えていくので特に地植えの場合は注意してください。
4位 レモンバーム
育てやすさ ★★★★★
対病害虫 ★★★★
耐寒性 ★★★★★
生育が早く、比較的寒さ暑さにも強く丈夫なので、非常に育てやすいハーブです。
園芸店で売っている苗を見るとそれほど強そうに見えませんが、放っておいても雑草並みの繁殖力で広がっていきます。むしろ、増えすぎるくらいなので注意してください。
ミント同様、明るい日陰で育てることができ、室内や鉢植の場合でもよく育ちますし、種は発芽力が強いためこぼれ種でもよく増えます。
ただ、葉っぱが茂りすぎてしまうと蒸れてベト病になる場合があるので、収穫も兼ねて定期的に剪定しましょう。
5位 センテッドゼラニウム
育てやすさ ★★★★★
対病害虫 ★★★★★
耐寒性 ★★★
センテッドゼラニウムという名称より、蚊よけ草、蚊香龍(かこうろん)といった虫よけを連想させる名前で販売されていることが多いです。
生育が早く、根が鉢の中いっぱいに回ることがあるので、一年に一回をメドに鉢も一回り大きいものにした方がよいくらいです。乾燥に強く、虫もほとんどつかないか、多少かじられる程度です。
しかし、耐寒性があまりなく、冬に雪が数日積もってしまうとだんだん枯れていくので、雪が積もる前に室内へ取り込みましょう。
6位 ラベンダー
育てやすさ ★★★★
対病害虫 ★★★★
耐寒性 ★★★★★
ラベンダーを枯らしてしまう原因の多くは水と肥料の与えすぎなので、あまり手をかけない方がすくすく育ちます。弱アルカリ性のやせ地で、やや日当たりがよく乾燥している方がよく育ちます。
挿し木でも増やすことができます。
ただ、生育が遅く2年目からしか花芽が出ないのと、高温多湿な日本の梅雨が苦手なので注意してください。
7位 シソ(紫蘇)
育てやすさ ★★★★★
対病害虫 ★★★★
耐寒性 1年草
明るい日陰でも育つので、日当たりを気にしなくて大丈夫です。
1年草ですがこぼれ種からどんどん増えるので、一度植えると翌年も勝手に生えてきます。芽ジソ、葉っぱ、穂ジソから花まですべて食用になるので、間引きや剪定ついでに使えて重宝します。
ただ、ハダニが付いたり虫に食われやすい傾向があるので、虫対策に少し手がかかります。
初心者が育てにくいハーブ
番外編として、初心者が育てにくいハーブをワーストランキングで紹介します。
驚くことに、インターネット上には「育てやすい」と称して実際には育てにくいハーブが紹介されています。おそらく、ハーブ名の知名度を優先しただけで、実際に育てたことがないのでしょう。
そのような失敗をしないため、基本的には苗から育てて冬は室内に取り込んでください。
ワースト1位
育てやすさ ★★★
対病害虫 ★★★
耐寒性 1年草
ハーブの中でも知名度高くピザなどの料理でよく見かけるバジルですが、種は土の温度が13℃以上、気温20~25℃くらいにならないと発芽しません。
そのため、「ハーブを育ててみようと思ったけど、うまくいかないや。やっぱりハーブの栽培は難しいな。」と誤った認識を広げてしまう困ったハーブです。
苗から育てるのが無難ですが、虫が付きやすくアブラムシやヨトウムシ、ナメクジの被害を受けます。
ヨトウムシというのは夜行性のイモ虫で、昼間は土の中にいて夜にしか出てこないためなかなか捕縛できません。大きくなってくると、バリバリ葉っぱをかじる音が聞こえるくらい凶悪なヨトウガの幼虫です。
また、これは同じシソ科の紫蘇も同様ですが、摘心しないとあまり収穫量が増えません。博愛精神が勝ってしまい、思い切って摘心できないようだと収穫量は減少します。おまけに、1年草です。
これらの要因があって、初心者向けではないと判断しました。
ワースト2位
育てやすさ ★★★
対病害虫 ★★★★
耐寒性 1年草、多年草
カモミールの種は、「小さすぎて見えない」です。
当然、水をやるとどこかへ流れてしまうので、苗から育成することをおすすめします。ただ、ジャーマンカモミールは一度生えれば翌年は勝手にこぼれ種から生えることもあります。
ローマンカモミールの方は多年草で、管理人が最も好きなハーブの1つでもあります。しかし、ジャーマンカモミールに比べると薬効成分が低いうえ、交雑しやすいので選定に迷うところでもあります。
苗から育成する分にはそれほど手間はかかりませんが、アブラムシの被害が出やすいため定期的にチェックする必要があります。
ワースト3位
育てやすさ ★★★★
対病害虫 ★★★★
耐寒性 なし
レモンのさわやかな香りが漂いますが、外見はただの葉っぱのように見えます。その外見通り、放置しても勝手に成長していきます。
しかし、熱帯性植物のため本州以北は冬になると確実に枯れます。これは、ステビアやアロエも同様です。
基本的にハーブ類は手間がかからないのですが、冬の寒さや害虫の被害には多少注意してください。ほかにもあれば、コメントいただけると嬉しいです。
管理人の体験をもとに作成したランキングなので、みなさんのご意見もいただければと思います。