天然ものだからといって、100%安全ではない
精油が植物から抽出した100%天然ものだと聞くと、なんだか安全なものだと思ってしまいます。
しかし、精油は自然の成分をかなり濃縮したものであるため100%安全というわけではありません。
通常は水や植物油などで薄めてから使いますが、それ以外にもいくつか注意点があります。
きちんと使用すれば決して危険なものではないのですが、十分な知識を持って取り扱う必要があるのです。
時間が経つと成分が変化してしまう
精油は天然物であるため、時間が経つことでだんだんと成分が変化してしまいます。
空気中の酸素と精油を構成している成分が結合して酸化したり、有機化合物同士が結合して違う物質になったりします。
構成している成分が変化すると、精油の香りや効果も変わってしまいます。
精油の種類は多く、一括りに使用期限を決めることはできませんが、しっかり保管した上で開栓したら1年以内に使い切ったほうが良いでしょう。未開栓のエッセンシャルオイルであれば、2年くらいをめどにします。
ただし、柑橘系のエッセンシャルオイルは、製造の際に熱処理されないため
さらに劣化しやすいので、3~6か月を目安に使い切ります。
また、使用期限以内でも、異臭がしたり精油が濁ってしまうなどの変化があれば、使用はやめて下さい。
光毒性(ひかりどくせい)に注意
ベルガモットやレモン、グレープフルーツなどの柑橘系精油に含まれる成分には、皮膚に塗布した状態で紫外線に当たると炎症を起こしてしまう「光毒性」があります。
ひどい時には皮膚組織を損傷してシミとして残ったり、火傷のような症状になりますので、外出時には使用しないよう十分ご注意ください。
日本アロマ環境協会からの注意事項
以下は、公益社団法人日本アロマ環境協会から勧告されている、精油を安全に使うために守るべき注意事項です。
きちんと守って、正しく楽しくアロマテラピーを利用しましょう。
大切な注意事項
- 原液を直接皮膚に塗らないようにしましょう。
- 誤って精油の原液が直接皮膚についた場合は、大量の水で洗い流しましょう。
- 精油を飲用しないようにしましょう。
- 精油を目に入れないようにしましょう。また目に入らないように注意しましょう。
- 火気に注意しましょう。精油は引火する可能英があるので、台所での使用には十分注意しましょう。
- 子供やペットの手の届かない場所に保管しましょう。
- 精油は製造時より成分の変化が始まっています。特に高温多湿や空気、紫外線などにより変化が早まりますので、キャップをしっかり締めて冷暗所に保管しましょう。
お年寄りや既往症のある方のための注意
敏感な体質の方は香りに反応しやすいことがあるので、不快に感じるようであればしばらく中止した方が良いでしょう。これは一般の健康な方でも同じで、不快感や異変を感じるときは使用を中止してください。
妊婦のための注意
妊娠時の敏感な体調を考え
、芳香浴法以外のアロマテラピー利用法を実践される場合には十分ご注意ください。
子どものための注意
3歳未満の乳幼児には、芳香浴法以外は行わない
ようにしましょう。小さな子供は抵抗力が弱く体重も少ないので、大人に比べ精油の影響を受けやすいと言われています。
3歳以上の子供でも、大人の使用量の10分の1程度から始め、多くても2分の1程度までを限度とし、使用に当たっては十分に注意を払いましょう。
光毒性に注意
ベルガモット、レモン、グレープフルーツをはじめとする柑橘系精油は光毒性を持っているため、外出時には注意してください。
精油によく似た商品に注意
精油に似た外見の、合成香料に注意しましょう。アロマテラピーで使用する精油は、天然原料として抽出されたものであり、ポプリ用などの合成香料とは異なるものです。