【学 名】 | Melissa officinalis |
【分 類】 | シソ科セイヨウヤマハッカ属 |
【別 名】 | セイヨウヤマハッカ |
【種 類】 | 多年草 |
【草 丈】 | 50cm~80cm |
【原産地】 | ヨーロッパ・中央アジア |
【精油成分】 | シトロネラール、シトラール、ゲラニアール |
レモンバームの特徴
レモンそっくりの香りにミツバチが集まる
レモンバームの葉は、レモンにとても似た香りがします。
植物学的に言えば、レモンとレモンバームは全くの無関係なのですが、似た香りでもレモンバームのほうがレモンに比べてより繊細で、きわめてユニークな芳香を放っています。
とはいえ、口にすると青臭さがあるため、ティーやクッキーに練り込んで使います。
また、レモンバームは、別名「メリッサ」とも言います。
学名にもある「Melissa」はギリシャ語のミツバチに由来、またギリシャ語meli(ラテン語mel)が「蜂蜜」を意味しています。
ミツバチは、このメリッサの花が蜂蜜を作るのに特に好都合らしく、レモンバームの香りに引き寄せられます。 「バーム」という名は、バルサム(香膏の意)を縮めたもので、これは最初にこう名付けられて以来、レモンバームがその香りでずっと知られてきたことを示しています。
レモンバームは最も古くから使われていた薬草のひとつでもあり、16世紀に活躍した医学者で錬金術師だったパラケルススは、これを非常に尊重して「生命のエリキシル(Elixir=エリクサー、万能薬)」と呼び、レモンバームと炭酸カリウムと合わせて「プリムム・エンス・メリッサエ」として知られる合剤を作りました。
長寿のハーブ?
かつて、レモンバームは人間より長生きすると考えられていました。
13世紀、グラモーガン公ウェリンは、いつもレモンバームのハーブティーを愛飲していたおかげで108歳まで長生きし、サイデナム在住のジョン・ハシーという男は、毎朝このハーブティーにハチミツをたらして飲むこと50年、116歳まで生きたと言います。
昔の薬草専門家はみな、うつ病の薬剤として、また脳と神経との強化剤としてのレモンバームの薬効を賞揚しました。
うつ症を改善
メリッサの精油成分はシトロネラール、シトラール、ゲラニアールで、刺激作用よりも強壮作用を発揮し、心臓や神経系統・消化器系統および子宮を強壮にする効果があります。
また、気分を鎮静させて心を穏やかにし、抑うつ症を好転させたり、呼吸と脈拍を緩慢にして血圧を下げ、平滑筋の痙攣を静める力もあります。
熱が出た場合には、レモンバーム精油は緩和な発汗作用を示し、冷却効果をあらわします。
レモンバームは風邪と流感に役立ち、喘息や気管支炎にも有効性を示すとされています。
レモンバームの育て方
とても育てやすいハーブでどんどん増える
レモンバームは生育が早く、比較的寒さ暑さにも強く丈夫なので、非常に育てやすいハーブです。
春か秋に種をまくか株分けで増やし、放っておいても雑草並みの繁殖力で広がっていきます。むしろ、増えすぎるくらいです。
明るい日陰となる水はけの良い場所を選び、栄養豊富で適度に湿り気のある土に植え付けます。室内や鉢植でもよく育ちますし、種は発芽力が強いためこぼれ種でよく増え、雑草並の繁殖力があります。
そのまま放っておいても勝手に増えるくらいで、油断していると大量に生い茂り使いきれないくらいになります。
萌芽の鮮緑色がすばらしく、仲間には葉にきれいな斑が入ったゴールデン・レモンバームがあります。