【学 名】 | Origanum majorana |
【分 類】 | シソ科ハナハッカ属 |
【別 名】 | マヨラナ |
【種 類】 | 多年草 |
【草 丈】 | 30cm~60cm |
【原産地】 | ヨーロッパ |
【精油成分】 | カンフル、ボルネオール、テルピネン |
マジョラムの特徴
マーガレットという女性名の元?
地中海沿岸地方、アラビア原産の木立状に高さ30~50センチになる小低木です。属名のオリガヌムは「oros-山」と「ganus-美」の意味で、山の喜びを意味していると言われています。
イギリスでは、マジョラムは「マジェラム」または「マージェロム」として知られていました。この言葉の由来は定かではありませんが、おそらく真珠という意味のギリシャ語「マルガロン」という言葉、今日はマーガレットという女性名となっているこの言葉から派生したのではないかと思われます。
マジョラムは、薄い毛に覆われた白灰緑色の小さな葉と、甘い香りを持つ多年草。白い結び目のような、小さな花が咲きます。耐寒性がないので、寒冷地では一年草として育てることもあります。
古代ギリシャ人はマジョラムを医薬品として、また香料ならびに化粧品として広く用いました。
料理の風味を引き立てる
マジョラムの茎や葉には淡いミントのような香りがあり、古くから肉料理の香味料として使われてきました。
生葉はサラダなどに使うほか、トマトにあるのでトマトケチャップの香味料として欠かせないものです。シチューの香りづけや、オムレツなどの卵料理にもあいます。ハーブティーは、鎮静作用や消化促進効果があります。
「これには体を元気づけ、開放し、消耗させ、浄化する効能がある。この粉末をワインに浸すか、粉末をワインに浸して沸かす貸したものは腹部をまことによく暖める。またこれは消化を促す。さらにまた、マジョラムの葉と花をとり、それらを少し砕いて鍋に入れて加熱し、それを苦痛のある箇所につける。これは腸内ガスによる胃腸の病気を癒す。」『バンクスの薬草誌』
「普通種のスイートマジョラムは、内服したり外用したりすることによって体を温め、頭・腹・筋肉その他の部分の冷性の疾病による不調を好転させる。」ニコラス・カルペッパー
マジョラムは緩下剤として腸の蠕動を刺激し、それを強める働きがあります。これはまた、その消化促進・駆風作用ともむすびつきます。
それと同時に、マジョラムは腸の痙攣を治しますので、疝痛・痙攣性消化不良に有益です。神経系統へのその作用は、鎮静・強壮効果です。
不眠症と不安症の症状に有効
マジョラムは、不眠症および不安症の症状に有効です。チック症とヒステリーにも用いられて、好成績を収めています。
枝葉にカンフル、ボルネオールを含み、鎮静、鎮痙、鎮咳薬とされ頭痛や胃弱にも使われてきました。
マジョラムの育て方
アルカリ性の土が適し、挿し木も可能
種は春まきか秋まき、よく日のあたる場所でよく育ちます。水はけのよい、どちらかというとアルカリ性の土が適しています。
鉢植えの場合は、根がいっぱいに回っているものは春先か秋に植え替えをします。鉢から株を抜き取り、根部を軽くほぐして根と枝を切り詰めます。切り詰めた株は一回り大きい鉢に新しい用土で植え込んで下さい。
開花前に5cmほどに切り戻すと、秋に再び収穫することができます。
挿し木は、気温が低い時は発根しにくいので、秋は9月か10月初旬までが適期。勢いの良い枝を枝先から5~6センチ切って、上半分を残して木部の葉を除いてから挿します。
秋から冬にかけての育苗は、日当たりの良い寒風の当たらない場所を選んでください。オレガノに比べると耐寒性が弱いので、感想や寒さの激しい時は敷きワラなどで防いでやります。
寒冷地でのマジョラムは春まき1年草として扱いますが、暖地では3~4ねんで更新した方が良いでしょう。
マジョラムの仲間
マジョラムの仲間には、グリークオレガノという名前でポット・マジョラムやウィンター・マジョラムが売られています。
マジョラムの育たたない地方ではポット・マジョラムがおすすめ、香りはオレガノとマジョラムの中間くらいです。
ウィンター・マジョラムはギリシャ料理によく使われ、耐寒性はオレガノと同程度です。