使用するタイミングに合わせてそのつど収穫
葉の収穫
ハーブの香り成分が一番多い時期は、花の咲く直前です。食用やハーブティー、ポプリなどのクラフトに用いるなら、この時期に収穫するとよいでしょう。
収穫するときは、手でちぎったりせずによく切れるハサミで切り取ります。
苗が小さいうちにあまりたくさん収穫すると、枯れる原因になるので注意します。
例えば、ミントやレモンバームの場合5月半ばに上部を刈るのですが、←図にあるように、新しい脇芽が出てきたところを残すようにして摘心(てきしん)します。
そうすると、脇芽が伸びてきてもう一度収穫できます。
また、刈り取ることで風通しが良くなり、虫や病気にかかりにくくなります。
成長途中で刈るのはもったいない気もしますが、刈ることで上部だけでなく左右にも枝葉が広がるようになり、さらに収穫量が増えます。
刈り渋ったり忘れたりすると、結局虫に食べられたり、ウドンコ病になったりしてしまいます。
また、保存用に収穫するなら晴天が数日続いた後の晴れた日の午前中に、刈り取って日陰で乾燥させます。晴れて乾いた状態でないと、収穫後にカビが発生したりとせっかくのハーブが台無しになってしまいます。
茎の収穫
葉や茎を利用するハーブは、利用のたびに必要分を切って使用します。
ローズマリー、タイム、バジル、レモンバーム、ミントなどを、伸ばしたい芽がある節のすぐ上できるようにすれば、脇芽を伸ばし、枝数を殖やすことができます。(オレガノ、クレソン、レモンバーベナ、シソも同じ)
レモングラスやチャイブ、フェンネルといった根元から葉が伸びるハーブや、株元近くでたくさん枝分かれするハーブは、地面際ぎりぎりから切って収穫します。
切った後から新しい芽が伸びて、再び茂ります。(イタリアンパセリ、コリアンダー、コンフリー、サラダバーネット、チャービル、ディル、ルバーブも同じです)
花の収穫
花を収穫するときは、ほかのつぼみを傷つけないように一つ一つ丁寧に摘み取ります。
収穫後は放っておくと花がしおれて形が悪くなったり、色があせたりするので、時間をおくときはポリ容器に入れて冷蔵庫で保管しましょう。
日中に摘むと花持ちが悪くなるので、早朝に摘むのがおすすめです。
ポプリに使用するなら、花が咲ききらないうちに摘み取って乾燥させるのがコツです。花が全開になってしまうと香りが弱くなってしまうからです。
収穫は茎から収穫してもかまいませんが、花首のところから収穫して利用するのが一般的で、手で簡単に摘み取ることができます。
ナスタチウム、チコリなどの花弁が柔らかい花を収穫するときは、ハサミを使います。花首からハサミで切り、あまり花びらに触れないようにかごなどに入れます。(セージ、センテッドゼラニウムも同じ)
ラベンダーのように花穂に小花がたくさん咲くハーブは、茎ごと刈り取ります。 刈り取った茎は数本ずつまとめ、風通しの居場所につるして、ドライフラワーにします。(サントリナ、ベルガモット、ヤローも同じ)
種の収穫
バジルなど、翌年もまいて苗を育てる予定のハーブは、花が咲いたら花がら摘みをしないでそのままにしておき、種を実らせます。
やがて花穂などが枯れ、種が熟したら茎ごと刈り取って、風通しのよい場所で乾燥させておきます。完全に乾いたら、種を取り出して湿気を避けて保存します。
(アニスヒソップ、オレガノ、キャラウェイ、コリアンダー、サラダバーネット、サンフラワー、シソ、カモミール、ヒソップ、フェンネル、マリーゴールドも同じ)
種子・種の収穫
種子は、早いものが色づき始めたら、ほかのものもすべて一粒ずつ摘み取ってしまいます。
摘み取った種子は箱に入れて乾燥させ、追熟させます。
花茎ごと刈り取るなら、花穂が半分くらい熟したときがベストで、刈り取ったら紙袋や箱に入れ日陰でさらに追熟させます。
根を刈り取る場合なら、晩秋が最適です。この時期は根に養分や成分がたっぷりと蓄えられています。
ハーブの保存方法
上手に保存すればいつでも利用でき、とても便利
乾燥保存
刈り取ったハーブは痛んだ葉を除いた後、水洗いをして水気をとりすぐに乾燥させます。
束にして逆さにつるしたり、細かいものは新聞紙などに広げて乾燥させます。
いずれも風通しのよい日陰で行い乾燥むらができないように上下を入れ替えてください。
十分に乾燥したら密閉容器に乾燥剤と一緒に入れ、冷暗所で保管。
保存開始の年月日をラベルに書いておくと便利です。乾燥させる時間の目安は茎がポキッと折れるくらい、葉がパリパリとするくらいが最適です。
人工乾燥
ドライフラワーやポプリなど、花色を大切にしたいなら、エアコンの風やドライヤーを利用して短時間で乾燥させます。
オーブンや電子レンジ、白熱灯やコタツなどを利用してもよいでしょう。花の形も保てます。市販の乾燥剤シリカゲルを使用する方法もあります。
冷凍保存
ハーブによっては、乾燥させると香りが落ちてしまったり、枯れて使い物にならなくなってしまうものもあります。
そういったものはフレッシュな状態のまま冷凍保存すれば、収穫直後の新鮮な状態でいつでも使用することができます。
バジルヤチャイブ、レモンバームなどは少量ずつラップに包み、冷蔵庫用のビニール袋で冷凍すると、数週間新鮮な状態が保てます。
ミントの葉は製氷機に入れて冷凍、冷たい飲み物に浮かべれば、あっという間におしゃれなミントドリンクのできあがりです。
レモングラス、バジル、チャイブ、ディル、フェンネル、パセリ、チャービル、タラゴンなど。
その他の保存方法
オイルやビネガーに漬け込めば、香りのよいハーブオイルとハーブビネガーの出来上がりです。刻んでバターに混ぜたり、蜂蜜付けにするのもお勧めです。
【オイル&ビネガー】
①広口のビンに小さいハーブはそのままで、大きいものは粗く刻んで入れます。(目安は2~3本くらい)
②ハーブが全部漬かるくらいまでオイルを入れ、密閉します。オイルが少ないとカビが生えてしまうこともあるので要注意。
③1日1回ほどビンを振って混ぜ合わせ、2週間寝かせます。
④漬けていたハーブを取り出して出来上がりです。